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MediaHarbor 導入手順書

MediaHarbor Logo

📄 システムの概要

MediaHarbor は、クラウドおよびオンプレミス環境において、トラフィック・シム社が提供するインストーラーを使用することで「お客様が希望する環境」で簡単に構築できるマルチビューサービスです。MediaHarbor からアクセスできる LicenceManager で必要なポイントを購入(請求書およびクレジットカード対応)することで、すぐに利用を開始することができます。

IP ストリームだけでなく、トラフィック・シム社製ユニットを使用することで、ISDB-T、ISDB-S、QAM や SDI の入力にも対応しており、B-CAS、C-CAS、TRMP、ACAS のデスクランブルも可能です。従来の大型 TV にデコーダーを通して表示する方法以外にも、クライアント PC、タブレット、スマートフォンで HLS や WebRTC を利用して視聴できるため、自宅や放送区域外、出張中でもマルチビュー画面を確認することができます。また、任意のストリームを選択して音声を聞き分けたり、拡大表示も可能なマルチビューサービスです。

マルチビュー機能以外にも、トラフィック・シム社の強みである Transport Stream(TS)レイヤーの監視や、画音(ブラックアウト、フリーズ、無音)監視など、様々な機能のライセンスを順次リリースしていきます。ユーザーは必要なライセンスを購入することで、すぐにその機能を MediaHarbor に統合して利用することができます。また、他機器と連携してアラームをオーバーレイさせる機能についても検討しており、MediaHarbor で一元的にモニタリング環境を構築することが可能です。

※デスクランブルにはトラフィック・シム社製ユニットの利用が必要です。
※各種監視機能は順次リリース予定です。

📄 対応コーデック

🎞 Video

  • MPEG-2
  • H.264/AVC
  • H.265/HEVC
  • AV1(*)
  • JPEG XS

*AWS MediaLive 経由で対応可能

🎵 Audio

  • AAC
  • MP2
  • MP3
  • AC-3 (Dolby Digital)
  • E-AC-3 (Dolby Digital Plus)
  • Opus(*)

*AWS MediaLive 経由で対応可能

🔗 対応プロトコル

  • RTP ユニキャスト(*1)
  • RTP マルチキャスト(*1)
  • RTP-FEC ユニキャスト(*1)
  • RTP-FEC マルチキャスト(*1)
  • SRT Caller
  • SRT Listener
  • HLS (*2)
  • AES67
  • zixi Pull(*3)
  • zixi Push(*3)
  • RIST (*3)
  • NDI
  • ST2110-22
  • RTMP Pull
  • RTMP Push

*1 Payload type = 33 (MP2T:MPEG-2 transport stream)に対応。
*2 CM 等で途中でストリームが挿し変わる場合は、再生が途切れる可能性があります。
*3 AWS MediaConnect 経由で対応可能

🔎 監視・解析機能

別途対応するポイントを購入する事で監視・解析オプション機能をご利用いただけます。

  • 入力監視 - 入力信号断(*1)
  • 入力監視 - 入力信号低帯域(*1)
  • 画音監視 - フリーズ監視
  • 画音監視 - ブラックアウト監視
  • 画音監視 - 無音監視
  • SCTE35 解析
  • TS 監視 - ETR290 Priority 1(*2)
  • TS 監視 - ETR290 Priority 2(*2)

*1 基本機能の為、無料でご利用いただけます。
*2 HACOBE-CLOUD 経由で対応可能

💻 動作環境

🖥 ハードウェア要件

  • CPU: 第 11 世代 Intel Core i5(64 ビット) 2.40GHz 4 コア / 8 スレッド 以上
    ※ AWS Graviton 3 ARM プロセッサにも対応
  • メモリ: 16GB 以上
  • ディスクスペース: 20GB 以上の空き容量
  • グラフィックスカード:なし

Note

H.264/AACの入力ソースを25本程度入力した場合の参考スペックです。
入力ソース数やコーデックなどの条件によっては、より高いスペックが必要になる場合があります。

📦 ソフトウェア要件

サーバー

OS: Linux (AlmaLinux / Rocky Linux / Ubuntu Server / Amazon Linux)

Warning

Windows Subsystem for Linux では動作しません

Docker, docker-compose がインストールされていること

Note

インストールされていない場合、インストーラー実行時にインストールされます

クライアント

OS: Windows, Mac, iOS, Android
ブラウザ: Google Chrome, Mobile Safari

🌐 ネットワーク要件

  • ライセンス認証用にインターネットに接続できること
  • 下記ポートが解放されていること
ポート番号 プロトコル 用途
80 TCP MediaHarbor Web UI
8900 UDP IP タリー(UDP の場合)
9000 TCP IP タリー(TCP の場合)
10050 TCP Zabbix エージェント(任意)
10102 UDP SRT 出力
42000-42100 UDP SRT または RTP の信号入力
49152-65535 UDP WebRTC

📝 導入手順

🔑 API キーの取得

ライセンス管理システムにログイン

https://license.trafficsim.co.jp/

Note

ライセンス管理システムへのログインには CastHive アカウントが必要です。
アカウントをお持ちでない場合は、CastHive組織登録よりご登録ください。
また、すでにCastHiveアカウントをお持ちで、LicenceManagerを追加したい場合は、問い合わせフォームもしくはメールにてお申し付けください。
受付は平日弊社営業時間(9:00~18:00)です。申込内容を確認しアカウントの発行、アプリケーションの追加をいたします。
発行・追加までにお時間を頂く場合がございます。

MediaHarbor 管理画面を開く

MediaHarbor に割り当てボタンをクリックします。

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新しい MediaHarbor API キーを作成

新しい MediaHarbor を作成ボタンをクリックします。

Tip

この操作は管理者ユーザーのみが行うことができます。

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利用規約の確認を行い、同意する場合は同意するにチェックを入れて新規作成する MediaHarbor の名前を入力し、作成するボタンをクリックします。

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新規 MediaHarbor の API キーが作成されるのでコピーしておいてください。

Note

API キーは後からでも確認することができます。
インストーラーを実行する際に必要になります。

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💿 インストール

以下の手順は、インストール先の Linux サーバーで実行してください。

インストーラーシェルスクリプトをダウンロード

以下のコマンドを実行してください。

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sudo curl -OL https://mediaharbor.trafficsim.co.jp/installer.sh

ダウンロードしたシェルスクリプトの実行権限を付与

以下のコマンドを実行してください。

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sudo chmod +x installer.sh

インストーラーを実行

以下のコマンドを実行してください。

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sudo -E ./installer.sh

install1

ウィザードに従ってインストールを進めると、API キーの入力画面が表示されます。 前の手順で取得した API キーを入力して進めてください。

install2

残りもウィザードに従ってインストールを進めてください。

🔧 トラブルシューティング

問題が発生した場合、以下の手順を試してみてください:

Error response from daemon: toomanyrequests: Rate exceeded が表示される

  • Docker イメージの取得が混雑しています。しばらく待ってから再度インストーラーシェルスクリプトを実行してください。

Proxy 経由でのインターネット接続でコンテナイメージが取得できない

  1. Docker デーモンの設定
    Docker デーモンにプロキシ設定を追加する必要があります。
    /etc/systemd/system/docker.service.d/ ディレクトリに http-proxy.conf ファイルを作成します。
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sudo mkdir -p /etc/systemd/system/docker.service.d/
sudo nano /etc/systemd/system/docker.service.d/http-proxy.conf

ファイルに以下のような内容を追加します。

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[Service]
Environment="HTTP_PROXY=http://your-proxy-server:3128"
Environment="HTTPS_PROXY=http://your-proxy-server:3128"
Environment="NO_PROXY=localhost,127.0.0.1"

your-proxy-server は、利用するプロキシサーバーのホスト名や IP アドレスに置き換えてください。

  1. Docker デーモンのリロード
    上記の変更を反映させるために、Docker デーモンをリロードします。
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sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl restart docker

その他のエラーが表示されてインストールできない

  • ストレージの空き容量が不足している可能性があります。ストレージの空き容量を確認してください。
  • インストーラーシェルスクリプトの実行中にエラーメッセージが表示された場合、そのエラーメッセージを記録してサポートに連絡してください。

インストールは完了したがアクセスできない

  • Docker が正常に動作しているか確認します。以下のコマンドを実行して、Docker が正常に動作していることを確認します。
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sudo docker ps

正常に動作している場合、実行中のコンテナの一覧が表示されます。 何も表示されない、またはエラーメッセージが表示される場合は、Docker の設定やインストールを再確認してください。

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CONTAINER ID   IMAGE                                      COMMAND                  CREATED          STATUS         PORTS                                                  NAMES
ea5b30e0d8f7   public.ecr.aws/mediaharbor/stream:latest   "/usr/local/bin/janu…"   45 seconds ago   Up 10 seconds                                                          stream
30b909ec82b7   public.ecr.aws/mediaharbor/mhb:latest      "/bin/bash /mnt/run.…"   45 seconds ago   Up 10 seconds                                                          mhb
e4cead5b7988   public.ecr.aws/mediaharbor/ui:latest       "/nodejs/bin/node se…"   45 seconds ago   Up 10 seconds   0.0.0.0:3000->3000/tcp, :::3000->3000/tcp              ui
9c79d6582467   public.ecr.aws/mediaharbor/api:latest      "docker-entrypoint.s…"   45 seconds ago   Up 11 seconds   0.0.0.0:8080->8080/tcp, :::8080->8080/tcp              api
714364d2acaf   public.ecr.aws/mediaharbor/proxy:latest    "/docker-entrypoint.…"   45 seconds ago   Up 42 seconds                                                          proxy
590ca661bf7b   mariadb:11                                 "docker-entrypoint.s…"   45 seconds ago   Up 43 seconds   0.0.0.0:3306->3306/tcp, :::3306->3306/tcp, 33060/tcp   db
  • クラウドサービスにインストールしている場合は、セキュリティグループの設定を確認してください。
  • ネットワーク要件に記載のポートが解放されていることをご確認ください。

通常の遅延では再生できるが、低遅延では再生できない。

  • NAT 越え環境でインストール後にグローバル IP アドレスが変わった場合、WebRTC の接続ができなくなります。
    再度 installer.sh を実行する事で現在のグローバル IP アドレスで設定が更新されます。

高ビットレートのストリームを入力すると再生できない。

  • 入力ソース設定の詳細設定を開き、プローブサイズの設定を大きく設定してください。

映像の上に API KEY MISSING or WRONG API CONFIG と表示される

APIKEYMISSING

  • インストール時に入力した API キーが間違っている可能性があります。
    再度 installer.sh を実行して API キーを入れなおしてください。

映像の上に NO LICENSE or LICENSE EXPIRED と表示される

NOLICENSE

  • MediaHarbor サーバーがライセンス管理システムと通信できていない可能性があります。
    インターネットに接続できているかを確認してください。
  • ポイントが不足している可能性があります。
    ライセンス管理システムにログインし、ポイントが残っているかを確認してください。

セキュリティ設定で設定したパスワードを忘れてしまった場合

  • MediaHarbor が終了していることを確認してください、起動中の場合は以下のコマンドで終了してください。
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docker-compose down
  • MediaHarbor が終了していることを確認したら、以下のコマンドを実行してパスワードのリセットを行います。
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docker-compose run --rm api node reset_password.js
  • パスワードのリセットが完了したら、MediaHarbor を起動してください。
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docker-compose up -d

社内の Zabbix サーバーに MediaHarbor を接続したい

  • MediaHarbor には Zabbix エージェントがインストールされています。ファイアウォールの設定で TCP の 10050 番ポートを開放することで、Zabbix サーバーに MediaHarbor を追加して監視を行うことができます。
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# AlmaLinux / Rocky Linuxの場合
sudo firewall-cmd --add-port=10050/tcp --zone=public --permanent
sudo firewall-cmd --reload

# Ubuntuの場合
sudo ufw allow 10050/tcp
sudo ufw reload

設定を丸ごと他のサーバーに移行したい・設定のバックアップを取りたい

  • DB フォルダをコピーして丸ごと設定をコピーすることが出来ます。
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# MediaHarborを停止(動いている場合)
sudo docker-compose down

# DBフォルダをtar.gzに圧縮
sudo tar -zcvf backup.tar.gz DB

# MediaHarborを起動(必要な場合)
sudo docker-compose up -d

# バックアップファイルを新サーバーにコピー
# ※ 例) 192.168.XXX.XXX の /home/user にコピーする場合
scp backup.tar.gz user@192.168.XXX.XXX:/home/user

# 新サーバーにログインして転送したバックアップファイルを展開
# ※ 例) 192.168.XXX.XXX の /home/user にコピーした場合
ssh user@192.168.XXX.XXX
cd /home/user
sudo tar -zxvf backup.tar.gz

🧑‍🔧 サポート情報

問題が解決しない場合、またはサポートが必要な場合は、以下の連絡先にお問い合わせください。

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